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AI搭載の最新型アームロボット!人工知能で機械はどう変わる?

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そもそも、アームロボットとは何か?

製造業の強い味方、アームロボット

産業用アームロボットは、自動車や食品等の製造工場で広く導入されています。生産ラインを自動化して生産効率を高めたり、人間による見落としや手違いなどを防ぐために欠かせません。

例えば、部品の取り付けや溶接、塗装、部品加工といった単純作業であれば、産業用アームロボットを導入することで、より正確に、長時間に渡って作業させることが可能です。

 

「ティーチング」が面倒だった

様々なメリットがあるアームロボットですが、実は「ティーチング」と呼ばれる初期設定に手間がかかるのが難点でした。

「ティーチング」とは、ロボットがつかむ部品の形状や、動作、軌道などをプログラムすることです。ティーチングは、導入時だけではなく、取り扱う部品が増えたときや、アームロボットの配置や作業内容が変わったとき、随時行わなければなりません

さらに、ティーチングは、「ティーチングマン」というプロに依頼する必要がありました。しかし、ティーチングマンは全国的に不足傾向のため、アームロボットを設置するためにティーチングマンの育成を行わなければいけなくなるなど、かえってコストがかさんでしまうというデメリットもありました。

 

バラバラな形状や位置ずれが苦手

さらに、せっかくティーチングをしても、実際の生産ラインでは、プログラムした部品の向きが振動により変わってしまったり、位置がずれてしまうこともあります。アームロボットは、部品の向きや位置がプログラムされた内容と少しでも異なると、部品を認識できず、うまく動作できないという問題も抱えていました。

以下では、こうした従来の産業用アームロボットが抱えていた「ティーチング」や「形状・位置ずれ」といった課題の克服が期待される、AIを活用した最新のアームロボット事例について紹介していきます。

 

最注目のAIベンチャー、ティーチングレスのAIアルゴリズムを提供へ

画像出典:PR TIMES

アームロボットのティーチングが不要に

2020年3月、東京大学発のベンチャー企業であるTRUST SMITH株式会社が、ティーチング不要のアームロボット制御AIアルゴリズムを提供すると発表しました。同社によると、今回提供される技術では、ロボットが仮想空間上において自動で経路を生成するため、従来のアームロボット導入時に必要だった「ティーチング」の手間を省くことができると説明されています。

 

既に現場で稼働しているロボットにも搭載可能

同社が提供するAI制御アルゴリズムは、既に稼働中のロボットにも搭載できるとのことです。そのため、新たにアームロボットを買い替える必要がなく、アームロボットの利点を伸ばすかたちでの導入が可能です。

また、カメラを着けることにより、従来のアームロボットで弱点とされていた「部品の位置ずれ」にも自動で対応できるようになりました。

 

食品業界にもAIロボットが?

人と一緒におかずを盛り付ける!

お弁当工場のラインでから揚げを盛り付けているのは、なんとAIロボットの「FOODLY」株式会社アールティが開発したAI搭載ロボットで、人間の従業員と並んで、から揚げやミニトマトなどのおかずをお弁当に盛り付けることが出来ます。

ロボットはこれまで、形が一定でなかったり、積み重なっている部品の認識を苦手としていたため、食品のように大きさにバラつきがあったり、トレイに山積みになっているものの取り扱いは難しいとされてきました。

不定形のおかず、ディープラーニングで認識可能に

株式会社アールティでは、この課題を独自のビジョンシステムで解決したということです。同社は、Google社のフレームワーク「TensorFlow」を活用し、ディープラーニングによりおかずの形状を学習させます。

これにより、形状がバラバラなから揚げのようなおかずであっても認識することができ、さらに、食品コンテナに密集した状態で積まれていても、山積みにされたから揚げが「小さな個体の集合体である」ことをAIが認知できると発表されています。

「FOODLY」は現在実証実験が進んでおり、既に1時間に700~800食のお弁当を成功率80%~95%程度で盛り付けることができるということです。さらに開発が進めば、人材不足の食品工場でも実用化が期待できるかもしれません。

 

AIで「人間の手」に挑戦する各社の動き

熟練者の腕をめざす「3Dビジョンロボットシステム」

Arithmer株式会社による「3Dビジョンロボットシステム」は、製薬会社の「神の手」と呼ばれる技術者の動作を学習し、1時間にも及ぶ人間の動作をロボットで再現できることを実証しました。従来のアームロボットは、同じ工程で同じ部品を取り付けるような、一定の場所で一定の動きを繰り返す工程への導入がメインでした。

これに対して、同社の技術を利用すると、AIによる画像認識や3D解析技術などにより、アームロボットが人間のようにバラバラの工具を使ったり、途中で姿勢を変えたりする動きを学習できるため、より複雑な工程へのロボットの導入が可能になります。

 

どこでも使える・超軽量の「COBOTTA」

「COBOTTA」は重さ500gという超軽量の、デンソーウェーブ株式会社が開発したアームロボットです。どこにでも持ち運ぶことができ、工場のみならず、医薬品研究現場や、学校でのプログラミング授業など、場所を選ばず、気軽に使用することができます。

アーム部を直接動かして動作を記憶させるなど、事前の設定も簡単に行えるということです。

上記の「3Dビジョンシステム」とも連携することができ、製薬会社の新薬開発における「塗抹法細菌培養」の自動化に成功した事例を発表しています。

 

「MUJIN」はわずか半日で稼働可能

https://www.mujin.co.jp/

「MUJIN」は株式会社MUJINが開発した、工業現場に特化したAIアームロボットです。

ギアやシャフトといった複雑な形状の部品の取り扱いは、これまで自動化が難しいとされてきました。また、底が深い箱や、狭い場所では、アームがぶつかってしまい、ロボットが導入しづらい場所がありました。同社のシステムでは、複雑な形状の部品でも認識できるほか、AIによる軌道計算により、底が深い箱や狭い場所でも、干渉物を自動で回避するため、工場のあらゆる工程で導入が可能だということです。

同社の「モーションプランニングAI」では、部品のスタート地点とゴール地点のみを設定すればルートが自動で計算されるので、従来のような「ティーチング」が不要で、導入から半日でも稼働させることができるということです。

 

おわりに:AIでかゆいところに手が届く!

産業用アームロボットには、形状の複雑さや重なりを認識できなかったり、ティーチングの手間がかかるなどの課題がありましたが、そんな悩みがAIにより解消されつつあります。特に、ディープラーニングによる画像解析の技術開発が進んでいる点には驚かされました。

今回はおかずを盛り付けるロボットや、製薬現場の技術者の手を再現するロボットの実証実験をご紹介しましたが、さらに実用化が進めば、産業用ロボットができる作業の幅がどんどん広がりそうです!

 

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