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給料が平均の1.5倍?! ~人手不足で需要高まるAI人材~

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AILearn 編集部

要は、こういう話

  • AI関連の業務に携わる「AI人材」に対する労働市場のニーズが高まっている
  • 背景にある、拡大する需要に対する人材の供給量不足は、業界の大きな課題
  • この課題を解消すべく、産学連携による人材育成の動きが加速している
  • 個人のキャリアにとっては、希少人材になれる大きなチャンスかもしれない

AI人材の不足

AI人材の平均年収は約651万円
IoTや人工知能(AI)技術の研究開発の進展により、これらの技術を利活用できる産業領域が広がり、「第4次産業革命」に向けた国際競争が激化している。そうした中、市場のニーズが高まり、給与水準を高騰させているのが、AI人材(※1)だ。

ディップ株式会社が2016年に行った調査(※2)によると、AIエンジニアの平均年収は約666万円、AIアナリストが約639万円、AI人材全体の平均値では約651万円であった(※3)。

これは、民間の事業所における年間給与の平均420.4万円(※4)を大きく上回り、およそ1.5倍程度の水準となる。また、で言うと、有資格者である弁理士・特許技術者に続き、全316業種中の上位25位にランクインする計算だ(※5)。

2020年にはAI人材が約5万人の不足も、多くの企業は未対応
AI人材の給与水準が高騰している背景には、「人材不足」という業界全体の課題が横たわっている。

経済産業省の発表したレポート(※6)によると、2020年には、国内全体でAI人材が約4万8千人不足することが見込まれている。また、関西圏に限定した同様の調査も行われており、りそな総合研究所は、2025年に関西で必要な人数の6割強が不足するとの予測を立てている。

その一方で、新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)は、産業界における人工知能技術分野の人材ニーズ調査を行い、各企業のAI人材について、「全くいない」「把握できていない」「検討自体ができていない」企業が多い現状を明らかにした(※7)。

東大・阪大のAI講座に2億2千万円の投資など、産学連携に加速の動き
こうした状況を受けて、AI人材を効果的に育成するための取り組みが、各所で行われ始めている。

例えば、NEDOは、2017年7月28日、電機や機械など製造業を中心にAI分野の即戦力人材を育成する特別講座「AIデータフロンティアコース」を、大阪大学(吹田キャンパス)と東京大学(本郷キャンパス)に開講すると発表した(※8)。2017年下半期のパイロットプログラム開講以降、3年間で約2億2千万円の投資を行うことで、250人以上の人材を輩出する計画だ。

前年の6月に、パナソニックと阪大が「人工知能共同講座」を開始したことを踏まえると、AI人材育成を取り巻く環境に、産学連携が勢いづいてきた様子を見て取ることができるだろう。


編集部の考察

企業経営にAIの活用が求められる今、多くの企業でAI人材の獲得競争が始まっている。その一方で、AI人材の育成は遅れており、人材不足は深刻さを帯び始めている。そして、今後は、さらにこの流れが加速するだろう。

しかし、個人のキャリアという観点からみると、この状況はチャンスと言えるかもしれない。拡大していくAI関連市場において、AIを正しい方法で活用できる人材は、益々不可欠な存在となっていく。平均年収が他の多くの職種を上回っているという事実が、AI人材に対する企業からの期待値の高さを物語っている。こうした状況で、早い時期からAIに関する学習を始め、技術を身に着けていくことは、厳しさを増す労働市場において、大きな希少性を獲得することに他ならない。

本記事で紹介した以外にも、AIに関する講座は多く開かれている。最近では、オンライン講座で幅広く基礎知識を身につけることも可能だ。
こうした機会を活用し、いち早くAI人材への道を歩み始めることで、既存のキャリアとは異なる新たなステップアップに成功できるかもしれない。

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補足

注釈
※1:「AI人材」と一口に言っても、AI関連の業務として含める領域によって、様々な定義が可能である。ここでは、経済産業省の言う「先端IT人材」の定義に従い、「ビッグデータ・IoT・人工知能に携わる人材」のことを指す。
※2:ディップ株式会社『AI人材 求人レポート』
※3:平均年収は、AI人材の求人情報全100件において、年収幅の中央値より算出されている(N=100)
※4:2016年9月国税庁発表「平成27年分民間給与実態統計調査」より。
※5:マイナビ『2017年版 職種別 モデル年収ランキング』より。ただし、元データには、「AIアナリスト」等の記載はないため、ランキングは編集部が仮算出。
※6:経済産業省『IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果』より。
※7:NEDO『人材育成TFにおいて実施したNEDO委託調査』より。
※8:NEDO公式ホームページ内、News Release2017年7月28日掲載文より。


参考リンク

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2017年版 職種別 モデル年収平均ランキング
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