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深層学習とは??今流行のイノベーション技術の基礎概念を解説

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AILearn 編集部

[box class="blue_box" title="要は、こういう話"]

  • 昨今の人工知能ブームをもたらした主役
  • 機械が情報を理解するための学習方法の一つ
  • 学習方法の特徴は、人や動物の「脳」を模したネットワーク構造にある
  • 学習精度が非常に高く、他の機械学習技術では達成できない判断を、機械に行わせることが可能[/box]

本文

 「深層学習」という言葉を聞いたことはありますか?最近よくニュースで耳にする言葉だと思います。直近では囲碁のニュースで有名になりましたね。

 「囲碁AIが3戦全勝、世界最強プロを圧倒」 米グーグルが開発した囲碁用の人工知能(AI)「アルファ碁」と世界最強とされるプロ棋士、柯潔九段(か・けつ、19)との三番勝負の第3局が27日、上海近郊の烏鎮で打たれ、アルファ碁が勝ちました。第1、2局に続く3連勝で、もっとも難しい知的な盤上ゲームの囲碁でもAIが人間トップを圧倒する実力を備えたことを示しました。

 コンピューターのソフトウェアはこれまでにも、クイズ、チェスなどでプロを打ち破ってきました。しかし、囲碁は盤面が非常に広く選択肢の数が圧倒的に多いため、機械が人間の創造性にはまだ及ばない分野であると考えられていただけに、衝撃的なニュースになりました。

 因みに選択肢の数がどのくらい多いかというと・・・囲碁の選択肢のパターンは10の360乗と言われています。これがどのぐらい大きな数字か、想像がつきますか?

 宇宙に存在する原子の数をすべて合わせても10の80乗と言われているので、囲碁の打ち手の数は天文学的なスケールをも遥かに超えるのです。

 Googleは10万以上の棋譜をAIに学習させ、仮想試合を3000万局以上重ねて打ち筋を絞り込んだと言われています。途方もない計算と、試行回数の繰り返しにより、勝利の過程を学習させた結果、プロ棋士を打ち破ることに成功したのです。私はこの話を聞くたびに、逆にプロ棋士の凄さを感じてしまうのですが。。。そしてこの絞り込みの方法、学習の方法こそが、深層学習と呼ばれる技術を用いているのです。


深層学習技術はどのように実世界で用いられているか?

 

mcmurryjulie / Pixabay

 今やこの技術は囲碁だけにとどまりません。医療だと、CT画像から癌を見つけ出したり、車だと自動運転できるように、走行可能領域を判定したり。判断の精度は分野を問わず、ますます人間に近づいています。

 更に最近では、企業や研究室から飛び出して、個人のレベルでも使われ始めました。レオナルドダヴィンチの絵を学習させて、モナリザのような絵を書いたり、小説を書いたり、作曲させたり。。。深層学習を用いて、競馬の予想や株の予想を行っている人もいます。そして、実際に大儲けをしている人がたくさんいるのです。

 なぜ機械にこんなことができるのでしょう?

 不思議ですよね。

 この疑問は決して他人事ではなくなります。使い方を間違えれば、深層学習という技術は、将来的に人間から仕事を奪い、果ては映画「ターミネーター」のように人間に危害を及ぼす可能性すらある代物なのです。


深層学習技術とはいかなるものか

kalhh / Pixabay

 前置きが長くなってしまいましたが、本題に入りましょう。

 深層学習とは、分かりやすく言えば、「脳」を人工的に作り出したものです。

 ここではイメージを掴んでもらうために「脳」と「機械」について少し詳しく解説してみたいと思います。脳の主要な機能は、かなり大雑把にいうと、「変換」と「学習」です。

変換とは

 

geralt / Pixabay

 まず、脳は情報を変換することができます。情報の変換とは、入力された情報を基に、別の情報を出力する機能のことです。なんのことかよくわからないと思うので、身近な例をあげましょう。例えば、あなたは今日恋人とデートする約束をしています。待ち合わせ場所に向かっているあなたは、100メートル先に恋人を発見したとします。ついうれしくなって、かけ寄り、会話が始まりました。

 人を認識し、かけ寄る。そして、言語を交わす。この一連のプロセスは全て、何かしらの、脳に対する入力と脳から出る出力の繰り返しから成り立っています。目を通して「恋人がいる」という情報を入力した脳が、「かけ寄れ」という出力を手足に伝える。耳を通して「言葉」という情報を入力した脳が、「感情」として出力する。

 何かの情報を受け取った時、何か行動を起こす。行動を起こさないときでも、感情の変化が起こる。喜怒哀楽というのは一種の出力です。ここで、脳は、入力された「感覚」をもとに、「命令」を出力する機能を果たしています。これが情報の変換です。(※1)

 機械も全く同じです。何かの情報を受け取り、変換し、出力する。この変換の規則こそアルゴリズムと呼ばれるものです。

学習とは

 

MabelAmber / Pixabay

 次に「学習」の例を挙げてみましょう。学習とは何でしょうか?あなたは次の日も恋人とデートをする約束をしていたとしましょう。そして、100メートル先に再び恋人を発見したとします。しかし、今回は前回と違う点が一つあります。時計を見ると1時間遅れています。あなたは約束時間に遅刻してしまったのです。あなたは慌てて恋人に駆け寄り、謝罪しました。

 さて、昨日と今日であなたの行動と感情は変わりました。これは何が起こったからなのでしょうか? 「1時間遅刻してしまった」→「恋人は怒っているに違いない」→「謝罪することで怒りを解消したい。」一例ですが、このような気持ちが生じたのではないでしょうか。

 もう少し深く考察してみます。あなたの謝罪したい気持ちは何故生まれ、何故あなたの行動は変化してしまったのでしょうか。すなわちあなたの脳からの「出力」の変化は一体何によるものなのでしょうか??

 これは記憶や経験に基づくものだと考えられます。恐らくあなたには、過去に一度は遅刻してしまい、怒られてしまった経験があるはずです。その経験が、「二度と遅刻をしないように気をつけよう」。そして、「もし、再度遅刻してしまった時には素直に謝ろう」と、脳に学習させたのです。つまり、1時間遅れたという情報を、「入力」として受け取った脳が、その入力と、まず謝罪すると言う「出力」とを強い関係性で結んだのです。

 この入力と出力の関係性の変化こそ「学習」(※2)です。人間は、記憶・学習の形成過程では、シナプスでの情報の伝わりやすさ(シナプス伝達効率)が変化します。脳は外部の刺激によって変化して行く器官であるからです。


機械で脳の働きを再現させるために

geralt / Pixabay

 上章で説明したように、脳は情報の入出力の変換と、外部の刺激(※3)から学習を行います。脳の情報の入出力の間には、多数の神経細胞による伝達と信号のやりとりが存在します。人間の脳の神経細胞の数は約1000億個とも言われ、その極めて膨大なやりとりな結果、複雑な入力と複雑な出力と、それを結ぶ入力と出力の関係性の表現が可能になります。


この働きを機械で再現させるにはどうしたら良いでしょうか。「学習」と「変換」を機械が、より人間に近しいレベルで実現させるにはどうしたら良いか。そんな想像の果てに、生み出されたのが深層学習という技術です。つまり、神経細胞の伝達方法、信号のやり取りをアイデアベースにして、プログラミング化したものと言って差し支えないでしょう。


終わりに

「人々 フリーイラスト」の画像検索結果

 

 如何でしたでしょうか。深層学習とは、第一に入力情報から出力情報へ「変換」を行うためのルールの一つであるということを抑えてください。第二にそのルールは機械の「出力」を正解に近づけるように「学習」します。第三に、その学習の方法は「脳」の神経伝達の機能をアイデアベースにプログラミングしているということです。


補足

(※1)

 感覚とは、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚などの五感や、内臓感覚(空腹、吐き気、内臓痛)などを指します。また、ここでいう命令とは、神経系と内分泌系の二つの系が存在するのですが、神経系は、運動神経や自律神経を使って命令を伝え、内分泌系はホルモンを使って命令を伝えています。この結果、「出力」として人は動いたり、感情を表したり、ストレスを感じたりするのです。

(※2)                                    

 その答えと出力の差分で入力と出力の関係性は変わって行くのです。出力を間違えてしまったと思ったら、入力との関係値は変わるでしょうし、出力が正しかったと思えば、その関係値は変わらないでしょう。つまり、学習するかしないか、関係値を変えるか変えないかは、自分の出力と外部の刺激の差によって変わってきます。機械で言うと、正解データこそ外部の刺激に他なりません。そして正解データと自身の出力の差分で、関係値を変えて行くのです。これを繰り返し行うことで、機械は正しい判断ができるようになります。これが学習の原理です。

 

(※3)

 ここで言う外部の刺激とは、入力と出力の関係性を変える要因です。さっきの例で言うと、遅刻してしまった結果「相手の怒り」が該当します。即ち、自分が出した出力に対し、何かしらの答えが返ってきます。

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