AIの実践

“AI面接官”が会わずにマッチング?コロナ禍でのAI採用のメリット、デメリットや可能性!

投稿日:2020年8月16日 更新日:

なぜ今、コロナ禍でAI採用が求められるのか?

ソフトバンクは2020年5月から面接の合否をAIが判定

ソフトバンク株式会社のプレスリリースによれば、

ソフトバンクはグループディスカッションや集団面接を廃止し、

代わりに、面接動画を株式会社エクサウィザーズと共同開発したAIシステムで解析することを発表しています。

受検者から提出された動画の評価をAIシステムが自動で判断し、

合格基準を満たすと判断されれば次の選考を行い、不合格と判定した場合のみ担当者が動画を確認するとしています。

これにより、動画面接の選考作業にかかる時間の約70%を削減でき、

対面式の選考を行わないので、社員の新型コロナウイルス感染リスクを下げられるとしています。

遠隔地域の受検者も安全で公平な受検が可能に

従来から、遠隔地域の受検者は会場までの交通費や宿泊費を自己負担しなければならず、

コロナ禍ではさらに遠距離の移動が難しくなりました。

例えばAI面接のサービスを利用すれば、

遠隔地域の受検者も都心部の受検者と同様の条件で受検することが可能になります。

また、必要外の対面接触や外出、移動を誘発しないので

結果的に社員や受検者の安全確保につながります。

 

分析結果がオンライン選考をアシスト、選考回数は必要最低限に

従来の選考では、エントリーシート、グループワーク、集団面接、役員面接といったように、

複数回の選考が前提となっていました。

しかし、コロナ禍で物理的制限が大きくなった現在では、

全ての選考を対面で行うことは出来ません。

また、オンライン面接は画面越しのため、細かい表情や仕草が読み取りづらく、

学生にとっても、十分に力を発揮できずに面接が終わってしまうケースもあるそうです。

AIでエントリーシートを分析することによって、受検者の特徴をより具体的につかむことが可能になり、

オンライン上での選考をサポートすることができるので、

選考回数を必要最低限に絞った上で、高度なマッチングを実現することができるようになります。

 

そもそも、AI採用って何?

エントリーシートの分析から面接代行まで幅広く対応

AI採用とは、企業の入社試験にAIを導入する取り組みのことです。

エントリーシートの分析をし、優先的に人間が確認すべき書類を提示するサービスや、

人間の代わりにAIが搭載されたアプリで面接を行う「AI面接官」のようなサービスまで、その形式は様々です!

予め、企業側の過去の採用データや、社内の成績優秀な社員の行動特性などを学習させておき、企業に適した採用基準を提案。

その採用基準と実際の受検者のエントリーシート、性格診断などと組み合わせることで、

優秀な人材を効率よくマッチングできるといった特徴があります。

膨大な数のエントリーシートを確認するという手間が省けるため、

より短い期間での選考が可能になり、

面接官によってバラつきがあった評価基準や質問内容などを均一化できるという利点があります。

AI採用を導入するメリット

AIによる分析で業務効率アップ

コロナ禍に限らず、人事採用の共通の課題として挙げられるのが「エントリーシートの確認にかかる時間」です。

大きい企業では、エントリー数だけで1万人以上の応募がくることもあり、

そのすべてを人事担当者が確認するためには膨大な時間が必要でした。

AIのエントリーシート分析サービスを利用すれば、

全ての書類を確認する手間が省けるため、大幅な業務効率化につながります。

 

面接官によるバラつきをおさえ、評価基準を統一

評価者によって基準がバラバラになってしまい、

公平な選考が難しくなってしまったり、

面接官がもともと持っている先入観選考に影響する懸念が問題点として挙げられます。

AI採用を導入することで、

均一な評価基準で受検者全体を評価することが可能になります。

 

AI採用を導入するデメリットやリスク

学習データに大きく依存 導入先の企業によってパフォーマンスのバラつきも

AI採用サービスではまず初めに、

各企業の人事評価や、過去の採用データなどを学習させます。

AIはデータに基づき、その企業に求められる「理想の人物像」の評価基準を提案するのですが、

このとき、AIのパフォーマンスは、既に学習させたデータの内容に大きく依存してしまいます。

企業によって人事評価の基準や項目は異なっているため、

例えば、A社とB社で同じAI採用サービスを導入したとしても、

A社で有効とされたAI採用のパフォーマンスが、B社でも同様に利用できるとは限らないのです。

 

システム開発者の視点が分析結果に影響する可能性

もう一つのリスクとして、

AI採用システムの分析結果が、

AIシステムの分析者や開発者の視点にも依存する可能性が挙げられます。

 

エントリーシートや面接において評価すべき点や、

観察するべきポイントの設定が、

人事採用の現場に蓄積されたノウハウと必ずしも一致しているとは限りません。

そのため、AI採用サービスが提示した受検者の評価が、

実際に人間が評価した場合と異なるという問題が発生するリスクを踏まえ、導入を検討する必要があります。

 

2020年8月時点で提供されているAI採用サービス

指の動きまで検知する高度な性格診断AI「GROW360」

GROW360」は、様々な採用基準をモデル化するAI採用サービスです。

まず、外向性や論理的思考力といった行動特性のなかから、社内のハイパフォーマーの行動特性を分析しモデル化することによって、

その会社で活躍できる人材像を具体的に示すことが出来ます。

受検者にはスマートフォンから、ゲーム形式の気質診断や

自己評価と自分以外の任意の3名に他己評価を行ってもらい、データを収集します。

この際、なんと回答にかかった時間や指の動きを検知し、

面接では見落としがちな普段の受検者の特徴を捉えることができるのです。

 

エントリーシートの確認優先度を提案する「PRaiO(プライオ)」

PRaiO(プライオ)」は、株式会社マイナビと株式会社野村総合研究所が共同開発した、

エントリーシートの解析と、人間による確認の優先度を提案するAI採用サービスです。

膨大な数のエントリーシートを読むのにマンパワーを要する、

評価する人によって基準がバラバラ、といった従来の人事採用の課題を解決するために開発されました。

過去にその企業に蓄積された合格・不合格・説明会参加者の文章データなどから、

その企業で重視されている要因をAIエンジン「HaRi」が学習し、

採用基準に見合った人物を5段階評価にしてエントリーシートの優先確認度を提案します。

文章の癖や剽窃診断機能なども搭載されており、

実際に導入した企業では、エントリーシート選考にかける時間を40%削減することができたということです。

 

質疑応答の深掘りからレポート作成までこなすAI面接官「SHaiN」

AI採用を面接にまで取り入れたサービスが株式会社タレントアンドアセスメントの「SHaiN」です。

アプリケーション内でAIが人間の代わりに「面接」を行い、

受検者の質疑応答が録画・録音される仕組みになっています。

24時間365日、世界中どこにいてもスマートフォンで面接を実施することが可能で、

日程調整や会場準備などが不要になったり、急な受検辞退などによる機会損失を減らせるというメリットがあります。

AIによるヒアリングとその回答は自動でテキスト化され、

独自の面接手法に基づき受検者の回答を「深掘り」するなど、さながら対人式の面接をAIが模しているかたちです。

面接結果は開発会社のスタッフが分析し、10段階評価つきのレポートとして企業に受け渡されます。

おわりに

業務の効率化や、評価基準の統一といった、

従来から人事採用に存在していた課題を解消することが期待できるAI採用サービス。

コロナ禍においては、オンライン選考で見えづらい受検者の特徴を

AIの分析結果を提示し、採用担当者をサポートできるという利点がありますが、

一方で、学習データの偏りや、

システム開発者の影響を少なからず受けてしまうという一面もあります。

導入にあたっては、AIそのものの特長や問題点を踏まえ、

検討することが必要と考えられます。

 

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